見えない林檎

万里子はある時、秀雄のポケットから三つのマッチを見つける。
もしかして浮気…? 普段と態度の違う秀雄を、万里子は問いつめることができず、店に行ってみることにした。
その店で出会った若く華やかなユミ、彼女は二人の間に入るつもりはない、立ち直るために秀雄の力を借りたいのだと万里子に言った。
これが、地獄への序章だった…。
高級ブランド品を求めて東奔西走。
銀行残高は底をつきながらも、シャネルのコートに袖を通して、ダンナの財布から千円札を抜き取る。
家にあるのは食べ残したフライドチキンの骨だけ、金目のものはトウの昔に質草に。
それでも強欲に買い物をつづける<女王>のもとに、とうとう恐怖の住民税催促が! しかも総額800万円超ナリ……。
はたして女王の運命やいかに? 大爆笑の夫婦対談を収録、ポストバブルの無頼派作家による、破天荒極まりない抱腹絶倒エッセイ第2弾。
品川の廻船問屋に押し込みが入り、乳母の看病にきていた娘の証言で盗賊はお縄に。
が、賊は島抜けし、江戸へ舞い戻る。
告げ口の仕返しを恐れて、娘は「かわせみ」に預けられることに。
冬の庭をいろどる山茶花は、事件の顛末を静かに見つめる──。
絆を深めあう旅籠の女主人るいと恋人東吾、あてられっぱなしの同心・源三郎、二人の仲を見守る与力の兄夫婦と、お馴染みの登場人物が活躍する全八篇を収録。
シリーズの新装版第四弾。
「何もかもが面倒くさかった。
生きていること自体が面倒くさかったが、自分で死ぬのも面倒くさかった。
だったら、もう病院なんか行かずに、がん再発で死ねばいいんじゃないかなとも思うが、正直言ってそれが一番恐かった。
矛盾している。
私は矛盾している自分に疲れ果てた。
」(本文より)乳ガンの手術以来、25歳の春香は、周囲に気遣われても、ひたすらかったるい自分を持て余し……〈働かないこと〉をめぐる珠玉の5短篇。
絶大な支持を得る山本文緒の、直木賞受賞作!この作家自身の郷里・紀州の小都市を舞台に、のがれがたい血のしがらみに閉じ込められた青年の、癒せぬ渇望、愛と憎しみ、生命の模索を鮮烈な文体でえがいて圧倒的な評価を得た芥川賞受賞作。
この小説は、著者独自の哀切な主題旋律を初めて文学として定着させた記念碑的作品として、広く感動を呼んだ。
『枯木灘』『地の果て 至上の時』と展開して中上世界の最高峰をなす三部作の第一章に当たる。
表題作の他、初期の力作「黄金比の朝」「火宅」「浄徳寺ツアー」の三篇を収める。
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