奈緒子(6)
全国中学駅伝大会当日、波切島北中学の第一走者・本松キャプテンは、雄介から聞き出したアドバイスを守り、優勝候補で先頭を走る船橋第一学園中学に離されないよう、必死で食らいついていく。
全国中学駅伝大会、第3区は追い風の強い3kmのコースだ。
小笠原監督は故障がなく、風のある時・ない時のタイム差の少ない佐々木を抜擢した。
全国中学駅伝大会最終区。
心のままに走る雄介と、冷静さを失わない黒田。
320mの差を一気に詰めてきた雄介に、黒田は揺さぶりをかける。
しかし、父の言葉を思い出していた雄介は黒田の前へ出るのだった。
全国中学駅伝大会、最終区。
競技場で競り合う雄介と黒田。
肘で走れという小笠原監督の言葉通り、腕を引っ張りあげて走る雄介。
残り100m。
学校の仲間、陸上部員、母、兄、次々と雄介の胸に去来する人々。
ともに、一歩でも前へ出たいと必死で走る二人の差はまったくなく、どこが勝負の分かれ目なのか誰にもわからなくなっていた。
権太は雄介が漁師になりたいと行って来ていることを母・和子に報告する。
和子はさっそく品川医師と共に権太の家へ赴く。
3人の意見は雄介を船にのせないことで一致したのだが……。
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